NISAってどうよ?
FPによる商品レビュー
2014年1月1日から導入が予定されている少額投資非課税制度『NISA』。
毎年100万円を上限として、配当金や売買益などが非課税になるというものです。
早くも証券会社、銀行はテレビCMなどの広告を行い、盛んに口座開設を推進しています。
このNISAを実際にアドバイスを行っているFPがどのように見ているかをホンネでコメントしてもらいました。
日本証券業協会のNISAに関してのホームページはこちら
ズバリ!『FPから見たNISAはこんな制度』
総括:
投資額が少額の人や、これから投資をやってみたいという人にはメリットがありそうという意見が多く見られました。
しかし非課税であればお得ということでもなく、損益通算ができないことや、恒久的な制度ではないことから気をつけなくてはならない点もありそうです。
どんな人がどのように使えばこの制度を活かせるのか、何がデメリットでどのように気を付けたら良いのかなど具体的な意見も出ていますので、以下の各FPによる「レビュー詳細」をご覧ください。
REVIEW DETAILレビュー詳細
- 中村FPの意見
- 100万円の投資額で20万円以上の利益をあげられる自身のある方は利用すれば良いのでは?
口座数が増えて金融系が盛り上がれば世の中盛り上がるのでしょうがタンス預金で口座数が増えなければ意味がなく口座間のキャッチボールになっているのでは???
よく知らないけど…
- 政橋FPの意見
- 年/100万円を少額と捉える方は、手間や運用期限などを考えると、大きなメリットと考えない様な気がします。
逆に、「投資家デビュー!」とある様に、これをきっかけに、口座開設される方向けの施策ツールになっている?
*個人的に、年/100万は多額だと思います。(もちろん上限使い切る必要はないわけですが)
- 山本FPの意見
- 剛力彩芽ちゃんが可愛い(#^_^#)
- 溝本FPの意見
- BBBの昔の「マル優」「特優」を復活させたらわかりやすいのに、と思います。
- 松本FPの意見
- すでに投資をしている方、投資家デビューを考えていた方には朗報と思います。でも、「NISAは当行で!」と勧誘し「口座開設後の金融機関の変更は不可」というのは国を挙げての顧客囲い込み作戦か?ともお見受けできます。最長5年で繰り越せば10年とか、非課税枠の未使用分を翌年へ繰り越し不可、売却した非課税枠の再利用は不可、など知れば知るほど制限が多くて、顧客に説明するには労力を要しますね。お手本にした英国のISAやジュニアISAみたいに制度も目的もシンプルで分かりやすいものにして欲しかった。
- 中野FPの意見
- 運用に無関心だった人が「NISAって何かな~?」「NISA口座開設した方がいいのかな~?」くらいからでも運用に興味を持っていただくきっかけになればいいかなと思っています。
制度としては期限の撤廃とか、損益通算できるようにしてほしいとか、いろいろ改善の余地がある制度に感じますが・・・。
- 駒崎FPの意見
- 無理に100万円に納めなくても良いと思いますが、現在の現物株式投資実績から、年間で受取れる配当金や売買益を考えると、非課税を利用することで節税効果が高い人は有効利用をする価値がありそうです。損失を出している方は要検討です。
NISAがスタートするから投資を始めるという安易な理由には反対です。そんなイメージの訴求になっているように感じました。
私が運用を勧める場合は、既に毎月お金が貯められている方で、ローン返済や短期資金準備の計画がしっかりできていて、緊急予備資金や突然収入が途絶えた際の生活資金が十分に蓄えられている方。その上で余裕資金の運用先を現物株式等に選択した場合にNISAをお勧めすると思います。別の投資をする方が無理にする必要はないと思います。
- 小川FPの意見
- あまりあれこれ手を出さず、一度買ったら数年放置、基本的に売り買いをせず、金額も数十万円程度くらいの方にはおススメしたいと思います。
100万円単位で投資をされてる方や売買を繰り返される方にとっては、メリットが少ないような気がします。
- 井戸FPの意見
- 投信積立する場合、システム上の課題多いと思います。年ごとの平均購入単価が出ない。先入れ先出し方式の可能性大きいこと。金融機関の対応商品、手数料、システムはっきりするまで、様子見します。
- 池田FPの意見
- NISAは、株式投資に資金を・・・・というも目論みで考えられたかと思いますが、コマーシャルなどをみていると、投信に利用するようなイメージが強いですね。マル優制度の全盛期の頃、枠をあちこちの金融機関で利用しているケースがとても多く、利用した者勝ちとなり、管理仕切れなかったお上の反省から、今回は利用金融機関が一箇所にきつく制限されているところが、利用しずらい気がします。
- 中島FPの意見
- NISAの特徴は「上昇に強くて、下落に弱い」投資制度だと考えています。
「上昇に強い理由」・・・利益が非課税になる
「下落に弱い理由」・・・損益通算が出来ない、非課税期間終了時に通常口座の移管した時、価格が取得時より下落している場合は税金計算が不利になる。
「上昇に強くて、下落に弱い」投資制度の有効な投資方法は「リスクを抑えた投資」を行うことによって、下落に弱い特性をフォローします。
具体的なリスクを抑えた投資・・・優秀なファンドを選ぶ、分散投資を行う、積立投資を行う等々
しかし、このように弱点をフォローした投資を行ってもイギリスのISA程の使い勝手のよさがないので、今後改善して欲しい点はあります。最大のポイントは制度の恒久化です。これがあれば、「非課税期間終了時に通常口座の移管した時、価格が取得時より下落している場合は税金計算が不利になる」がなくなりますし、しっかりとした長期投資が出来るようになると思います。